それでも、きみを。
「よかった、唯が同じクラスで。」
「私も。蒼乃がいて本当に嬉しい。」
周りは新学期特有のにぎやかさで少し落ち着かない。
蒼乃と一緒に進学先に選んだこの高校は、少し今までより家から離れていたから、知り合いがあまりいなかった。
だから本当に安心したんだ、早々ぼっちは嫌だもん。
「でも本当にびっくりしたよね。」
「え、何が?」
「美緒さんまでこの高校だったなんてね、しかも音まで変わってない。」
「ほんとそれ。寧ろすごく上手くなってる。」