それでも、きみを。
とりあえず2週間は部活を決めるのに期間があるから、二人でいろいろ周ろうってことになった。
「しかし中学と違って、高校はたくさんの種類の部活があるね。」
「調理部とか東中に無かったよ……」
そんなこと言いながら蒼乃、さっき貰ったクッキー美味しそうに食べてるよね。
「私調理部入ろうか。」
「まだ周り始めたばっかりなんだけど。」
こんな冗談を言いながら笑えるのがとっても嬉しい。
この放課後の会話は、中学のときと変わらない。
でも駅の喧騒は、これから毎日味わう新しいもの。
今まで自転車通学だったけど、電車通学になったから、そんな些細なことでもちょっと浮かれてしまう。