♡〜ラブアドバンス〜独女歩数計オムニバス形式♡
「花ちゃん、もう寝る?」
悠人が優しく肩を抱いていてくれる。
一人じゃない家は、夜でも明るい。
「ん〜〜、でも、化粧も落としたいし、シャワーも浴びたい」
「じゃあ、洗ったげようか?」
「ううん、それはさすがに遠慮しとく」
「なんで」
「やっぱり、恥ずかしいから」
「そう?」
「うん、そう」
悠人は、優しくてイケメンな俳優さんだ。
つい最近もドラマに出ていた。
もちろん、卵だから台詞はない。顔も映らない。後ろ姿だけだった。
だけど、本人はいつか芽がでると信じている。私も悠人を応援している。
悠人には合鍵を渡している。
仕事のない時に突然来たり出来るように。
俳優のお仕事だけでは、食べていけないからコンビニでもバイトしている。
そのコンビニがウチから近いのだ。
だから、疲れた時なんかはウチに泊って行ったりする。
「そんなゲスい男なんか忘れなよ。花ちゃんには、俺がいるんだから」
そっと抱きしめて優しいことを囁く悠人。
悠人は、かけがえのない存在だ。
とはいえ、悠人は私よりも9歳年下だったりする。
イケメンだし、私の部屋の掃除もたまにはしてくれる。
朝いる時はゴミ出しもしてくれる。
そして、何より夢を持っている男は、輝いてみえる。