♡〜ラブアドバンス〜独女歩数計オムニバス形式♡
悠人は、缶ビールを開けて途中で眠り込んだ振りをする私を抱きかかえてベッドの上に運んでくれる。
額にチュッとキスをするおまけ付きだ。
悠人からは、ポテトのにおいがした。
少しゴロゴロするつもりが、すっかりそのまま寝てしまっていた。
化粧も落とさず、シャワーも浴びていない。
起きて瞬きをした。暑くて体がベトベトする。
キッチンから音がしていた。
モソモソ起きだしてキッチンへ行くと、悠人が卵を割ってボールへ落としているところだった。
「たまご焼き?」
「おはよう、花ちゃん。スクランブルエッグだよ。パン焼く?」
「まだいい、起きたばっかりだから。シャワー浴びてくるね」
「うん、わかった」
悠人がいる休日の朝。
誰かが朝食を作ってくれる朝は、気分がいい。
体がベトベトでも気持ちが良くなる。
「悠人、今日は仕事?」
シャワーを浴びる前に聞いてみる。
「うん」
「そう」
コンビニバイトの終わりに、またうちに来るかどうかは悠人次第だ。
いつも悠人は、今後の予定を話したがらない。
『そんなの話したら、予定通りにしなきゃいけないって気になるだろ? そういうのが面倒なんだ』って前に言われた。