明日はきっと晴れるから
一人ぼっちじゃないよ
◇◇◇
4月、高校2年生になったばかりの私は、緊張しながら新しい教室のドアの前に立つ。
チェックのスカートに紺色のブレザー、白いブラウスとえんじ色のリボン。
自分の姿に変なところがないことを確かめてから、静かにドアを開けた。
朝8時15分。教室内には半分くらいの生徒が登校していて、ドアを開けて入ってきた私に数人の視線が向けられた。
でも、その視線はすぐにそらされる。
興味がないといった感じに。
注目されたのは中に入った一瞬だけなのに、私の顔はカァッと赤くなっていた。
肩までの髪の毛で顔を隠すようにして、自分の席に向かう。
2年生がスタートした初日の今日は、出席番号の席順。
私、宗多 菜乃花 (ソウダ ナノカ)は、廊下側2列目の前から3番目の席。
うつむき加減に10歩、歩いて、自分の席に静かに着席した。