明日はきっと晴れるから
下校時間で、たくさんの生徒が廊下を歩いていた。
春町くんと紺野くんが前を歩き、その後ろに美緒ちゃんと由希奈ちゃん。
更にその後ろに、私が続く。
正面玄関まであと少しという1階の廊下で、私はピタリと足を止めた。
結城くんだ……。
結城くんが、帰る生徒たちと逆行して、1階の廊下を奥へと歩いている。
昨日と一昨日は、結城くんの顔も見れなかった。
私、結城くんと話したい……。
私と彼は小さな頃に出会っている。
多分、あやふやなあの記憶の中のどこかの図書館で。
なぜかいつもその話題に入ろうとしたら、そらされる。
教えてくれないのは、どうして?
聞きたい……。
結城くんから、聞き出したい‼︎
強い気持ちに動かされて、私はいつもより大きな声で春町くんたちを呼び止めた。
「ごめん! 私、やっぱり今日は遊びに行けない!」
春町くんたちは、私との距離が5メートルほど離れた場所に立ち止まった。
4人揃って私の方を振り向いてから、まず由希奈ちゃんが不満そうな声を出した。