明日はきっと晴れるから



春町くんたち四人が正面玄関から出て行くのを見送ってから、私は急いで結城くんの後を追った。


あれ? どこへ行ったんだろう……。


見える範囲の一階の廊下には、もう彼の姿はなかった。


キョロキョロしながら、さっき結城くんが進んでいた方へ歩いてみる。


ドアが開いている教室の中を覗いてみたけど、結城くんはいない。

廊下の角を一つ曲がって、そのまま突き当たりまで来てしまった。



突き当たりには、他の教室とは違う木目の引き戸がある。


ここは私が1年生の時によく通った場所ーー学校の図書室。



静かにドアを開けて中に入ると、すぐに結城くんの姿を見つけた。


彼はテーブルと椅子が並ぶ閲覧コーナーの端の席で、勉強中だった。


テーブルが6つと、椅子が36個。

テストが近いせいか3分の2以上の席が埋まっていて、みんな勉強していた。



閉めたドアの前で大きく息を吸い込み、ゆっくり吐き出してから、心で「よしっ」と気合を入れる。


今日こそ、聞き出したい。

私達の過去の物語を。


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