明日はきっと晴れるから



由希奈ちゃんは勘違いして、嬉しそうな顔ではしゃいでいた。


結城くんは彼氏じゃないし、他の部分も間違ってるのに……。



数ヶ月前に中庭で、結城くんはこう言った。


『俺は君が好きだったーー過去形だよーー今の君は、自分を見失っているから好きじゃないーー』



結城くんは、私を好きじゃないの。

過去の思い出を教えたくないほどに、今の私のことは好きじゃないの……。



由希奈ちゃんの勘違いで、中庭での結城くんの言葉を思い出してしまい、心が傷つき痛みを感じていた。


それと同時に、結城くんも嫌な気持ちになっているんじゃないかと心配した。



結城くんの後ろで、涙を手の甲で拭う。


それから、『そんなんじゃないよ。結城くんは私のことなんか好きじゃないよ』って、由希奈ちゃんに言おうとした。



でも、私が言う前に、先に結城くんが口を開いた。



「宗多さんとは付き合っていない。
けど、俺は好きだよ。宗多さんが好き」



「え〜! 片思いなの? うっそー!

菜乃花、やったね。付き合っちゃいなよ。彼氏ゲットじゃん!」



「宗多さんとは付き合わないよ。今はね。

残念ながら、今の彼女は好きじゃないんだ。
それは君達のせいでもある」



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