明日はきっと晴れるから
はしゃいでいた由希奈ちゃんが、意味がわからないと言った顔をして首を傾げていた。
美緒ちゃんは面倒くさそうな、どうでもいいと言いたげな顔をして、
春町くんは不思議そうな目でこっちを見ている。
「宗多さんを振り回さないで欲しい。
同じ格好をすることを強要したり、連れ回したりしないで欲しい。
もっとも、彼女がそれを自ら望んでいるのなら仕方ないと思うけど、そうじゃないだろ?」
結城くんが、肩越しに振り返って私を見た。
濁りのない黒い瞳に、情けない顔をした私の顔が映っていた。
美緒ちゃんが、「だから言ったじゃん」と、ぼやいている。
春町くんが、「俺らと一緒にいて嫌だったの?」と、真顔で私に聞いてきた。
昔から、自分の意見をハッキリ言うのが苦手だった。
上手く言えなくて口ごもってしまったり、途中で黙り込んでしまったり。
今も、みんなの非難めいた視線を浴びていると勝手に手が震えてきて、逃げ出したい気持ちになってしまう。
でも、逃げてはいけない。
せっかく結城くんが作ってくれたチャンスだから。
ハッキリと、自分の口で言わなくちゃ。
元の私に戻りたいって……。