明日はきっと晴れるから
結城くんの後ろから、斜め前に一歩踏み出して横に並んだ。
結城くんの右手が、私の左手をそっと握った。
一人じゃないよ……俺が付いてるから勇気を出して……。
そう言われている気がした。
彼の手の温もりに励まされて、私は想いを口にする。
「わ、私は、春町くんたちと同じように考えることができないの。
茶髪もメイクも、もうやめたい……。
親を悲しませている自分が嫌だし、校則違反をしていることがどうしても気になっちゃう。
可愛くなくてもいいよ。ダサいと言われてもいい。元の私に戻りたい……。
放課後はカラオケじゃなくて、図書館に行きたい。
高いメイク道具じゃなくて、本を買いたい。
キス友なんて、そんなの理解できないし、絶対に嫌。
それが私なの……。
春町くんたちと同じことしても、辛いだけなの」
声が震えてしまったけど、今まで思っていたことをちゃんと言えた。
言い終えてもまだ緊張が解けず、心臓が壊れそうなほどバクバク言っている。
結城くんが私の左手を、さっきよりも強い力で握ってくれるから、なんとか気持ちを保つことができているけど……怖い。
春町くん達と一緒にいることに限界を感じていて、言った言葉に後悔はない。
クラスで一人ぼっちになってもいいやって、今は思ってる。
でも私の言葉で、春町くんたちを傷つけてしまったんじゃないかって、それが怖かった。