明日はきっと晴れるから
結城くんも私に合わせて、床に腰を下ろした。
「俺、余計なことしたのかな……」
「え?」
私の正面に座る彼の瞳は、どこか不安そうだった。
「あの人達と宗多さんは違いすぎるから、一緒にいると君が辛くなるのはわかっていた。
けど、部外者の俺から直接あの人達に言うのは、余計なお世話で間違いだと思っていた。
そう思っていたのに……さっきは我慢できずに口を挟んでしまった。
もし、余計なことなら謝る。ごめん……」
結城くんに謝られて、慌てて首を横に振って彼の言葉を否定した。
「そんなことないよ! 私、もう限界だったから、助けてくれて嬉しかった。
結城くんがいてくれなかったら、はっきり言えなくて、嫌だなと思いながらまた流されていたかも知れない。
ありがとう。助けてくれて、ありがとう。
私……髪の毛、黒くするね。メイクもやめる。
だから……えっと……」
私達の過去の物語を教えて欲しい……。
そう言いたかったのだけど、その言葉は今はまだ言ってはいけない気がした。
髪を黒くして、両親にも先生にも校則違反を続けていたことを謝って、
全て元通りにしてからじゃないと、言ったらいけないと思った。