明日はきっと晴れるから
苦しくて、悲しくて



◇◇◇


もうすぐ夏休み。


蒸し暑い日が続いているけど、私の心はスッキリして、この青空みたいに晴れやか。


私の髪色は黒く染め直した。

水飲み場での一件以降、メイクも一度もしていない。


やっぱりこんな自分の方が落ち着く。

やっと私らしい私に戻れて、ホッとしている。



春町くん達はもう私に声を掛けないし、私も話しかけたりしない。


そのため、クラスの中にお昼を一緒に食べてくれる友達がいなくなってしまい、ポツンと一人ぼっちになった。


でも、私は平気。

結城くんが側にいてくれるから……。



お昼休みのチャイムが鳴り、お弁当を手に教室を出た。


向かう先は、一階校舎奥の図書室。


静かに扉を開けて中に入ると、廊下よりも涼しい空気を肌に感じる。


私の好きな本の香りに包まれるのも、心地良かった。


昼休みに入ったばかりの図書室には、私以外の生徒はいなかった。


貸し出しカウンターに座っているのは、おっとりした雰囲気で、白髪がちらほら髪に見えている女性の、司書先生。


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