明日はきっと晴れるから



司書先生に、

「今日も準備室を使わせてもらっていいですか?」

と聞いた。



「はい、いいですよ。
結城くんはもう来ているよ」


司書先生はにっこり笑って、そう言ってくれた。



ぺこりとお辞儀をしてカウンター前を通り、【図書準備室】と書かれたドアの前に立つ。


ここに入れてもらえるのは私の特権……ではなく、結城くんの特権かも知れない。


結城くんのお祖父さんが蔵書家で、うちの高校にたくさんの書籍を寄贈しているのだと、最近教えてもらった。


司書先生は結城くんに会うと『お祖父さんはお元気ですか?』と、必ず聞く。


その話し方に、結城くんへの親しみと信用を感じていた。



ドアノブを回して、準備室の中に入った。


ここは教室の4分の1ほどの広さの空間。


修理が必要な本や、これから図書室の本棚に並ぶ予定の本達が木のラックに積まれていて、

その他には司書先生の大きな机と小さな冷蔵庫、事務用長机が一つ置いてある。


長机は壁にくっつけられていて、パイプイスが3つ置かれていた。


< 138 / 257 >

この作品をシェア

pagetop