明日はきっと晴れるから



最近貸してもらった本の感想を話しながら、結城くんと穏やかで優しいお昼休みを過ごす。


お弁当をちょうど食べ終えた時に司書先生が準備室に入ってきて、

「内緒だよ」と笑って言いながら、缶に入ったクッキーとアイスティを差し入れてくれた。


「ありがとうございます」

と、お礼を言って、クッキーを口にする。


司書先生が準備室から出て行くと、結城くんが間近に迫る夏休みの話を始めた。



「夏休み、一緒に出掛けよう。宗多さんを連れて行きたい場所があるんだ。

電車とバスで片道2時間かかるから、帰りは夕方になる」



「それって……」



この前の水飲み場での出来事。

春町くん達のグループから抜けて、私らしい私に戻ると宣言した後に、結城くんに夏休みに一緒に行きたい場所があると言われた。


それがどこなのかは教えてもらってないけど、その場所で過去の思い出を教えてあげると、結城くんは言っていた。


期待に胸を膨らませて、結城くんに確認してみる。



「そこで、教えてくれるんだよね?
小さな頃に、私達が出会っていた話を……」


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