明日はきっと晴れるから
自転車の荷台から降りて、お礼を言う。
「今日はありがとう。
会いに来てくれて嬉しかった。
結城くんのお陰で久しぶりに外に出られたし、気持ちも楽になったみたい。
本当にありがとう」
「お礼はいいよ。俺が宗多さんに会いたかっただけだから。
新学期、また学校で……。
学校に来るよね?」
その言葉に、『うん』と言えなかった。
新学期が始まるまでまだ2週間以上あるけど、お父さんの事件は少しは下火になっているのかな……。
その頃にはお父さんは、家に帰ってきてるかな……。
警察官としてのお仕事がどうなっちゃうのかわからないし、お母さんと私もこの街に住んでいられるのかわからない。
一昨日、お母さんがボソッと独り言のようにつぶやいていた。
『遠くに引っ越した方がいいのかな』って。
今はまだわからないことだらけで、普通に学校に通えるかどうかも予想できない。
結城くんの問いに頷くことができず困っていると、彼はズボンのポケットから四つ折りにされたメモ用紙を取り出し、私にくれた。