明日はきっと晴れるから
結城くんは私のクラスまで送ってくれた。
彼の特進クラスと私の普通クラスは、別の階にある。
階段の途中で「じゃあね」と言ったんだけど、心配だからと付いてきてくれた。
教室のドアは開いていた。
登校しているクラスメイトの数は半分くらいで、春町くんたち4人の姿もあった。
何か楽しい話をしているのか、きゃっきゃとはしゃぐ、由希奈ちゃんの明るい声が廊下まで響いていた。
他のクラスメイト達も楽しそう。
夏休みの出来事をそれぞれ仲の良い友達と話して、盛り上がっているみたい。
夏休みに入る前に春町くんたちのグループを抜けた私には、クラスの中に友達と呼べる生徒はいなかった。
でも、「おはよう」と言えば女子はみんな返事を返してくれたし、無視されたりいじめられているわけじゃない。
みんなの中で私はただのクラスメイト。
それ以上でもそれ以下でもなかった。
教室をちょっと覗いてから、隣の結城くんに言う。
「もうここでいいよ。
ありがとう。私は大丈夫だよ」
「ん、わかった……」