明日はきっと晴れるから
少しの沈黙のあと、「お、おはよう」と言葉が返ってきた。
「そ、宗多さん、あ、あのさ、夏休み忙しかったんでしょ?」
「バッカ、それ言ったらダメだって……あ、宗多さん、何でもないよ。
そうそう、私、英語の課題まだ終わってなくてヤバかったんだ!
ゆうちゃん、悪いけど写させて?」
「う、うん、いいよ。あっちでやろっか。
そ、そんな訳で、宗多さんじゃあね。あはは……」
クラスメイトの女子3人は、戸惑っているような焦っているような顔をして、逃げるように私から離れてしまった。
そっか……。
やっぱりみんな、お父さんの事件について知っているし、忘れてくれたりもしないんだね……。
酷いことを言われないだけでも、良かったと思うようにしないとね。
テレビではお父さんは随分と責められていた。
思い出したくないほど、キツイ言葉が……。
そんな言葉を投げられないだけ、マシだと思わなくちゃいけないよね。
無視しないで『おはよう』と返事もしてくれたもん、大丈夫だよ……。