明日はきっと晴れるから



◇◇◇


それから一週間後のこと。


学校から帰った私がお母さんと一緒に夕食の支度をしていると、玄関の方で物音が聞こえてきた。


もしかして……と思い、走って玄関に向かうと、そこには久しぶりのお父さんの姿があった。


「お父さん!」


子供みたいに飛びついた私を受け止め、お父さんは頭を撫でてくれた。



「菜乃花、迷惑かけたな。すまん」


「迷惑なんて、そんな……」



久しぶりのお父さんは、やつれて見えた。


目の下にはくっきりとクマができているし、心なしか白髪が増えた気がする。



お母さんもリビングから出てきて、

「お疲れ様でした」

と、お父さんに深々と頭を下げていた。



私の心には、久しぶりの青空が広がっていた。

やっと戻ってきてくれた。


帰ってこれたということは、色んなことが解決したと思っていいんだよね?


これからは3人でまた、平凡で穏やかな暮らしができるんだよね?



嬉しくて笑顔の私に対し、なぜかお母さんは浮かない顔。


お父さんとの会話も、

『お疲れ様でした』『ああ』

それだけで、いつもと違ってなんだか変。


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