明日はきっと晴れるから



言ってしまってから、マズイと慌てた。

私が私じゃないなんて、菜乃花にしたら随分変な質問だ。


それに、やっぱり私の事情は言えない。

気持ち悪がられたりしたら、最悪の別れ方になってしまう。



焦っているのは、私だけ。

菜乃花はキョトンとして、それからプハッと吹き出して笑った。



「ゆきちゃんは、ゆきちゃんだよ。変なのー!

ゆきちゃんじゃないゆきちゃんになんて、なれっこないよ。

あ、でも、魔法使いがいたら杖をクルってやって、お姫様になっちゃったりするかもね!

あれ? うーん、それでもやっぱり、ゆきちゃんだよね。

お姫様でも怪人でも、妖精になっても、ゆきちゃんはゆきちゃんだよ。

それ以外には、なれないと思うよ?」



ゆきちゃんは、ゆきちゃん……。

その言葉に、心臓が大きく跳ねて鳥肌が立った。


菜乃花は無邪気に笑いながら、
「変身できたら楽しそう!」と話している。


菜乃花の言葉に、きっと深い意味はないのだろう。

私の事情を知らないのだから。


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