明日はきっと晴れるから



気合を入れすぎてしまったのか、思った以上に手に力が入り、ドアがガタンと大きな音を立てて開いた。


私より先に登校していたクラスメイトの数は、半分ほど。

春町くんたちもいる。


クラスにいた全員の視線が一斉に私に向いて、それまで賑やかだった教室がシーンと静まり返ってしまった。



逃げたい……昨日の私なら、そう思ったはず。

でも今の私は違う。

みんなの顔を見回しながら、教室に足を踏み入れた。



自分の席に向かう途中で、島田くんという男子の横を通った。


彼は一昨日、私が触れたコーヒー牛乳の紙パックを『不幸が移る』という理由で捨てた人。



嫌そうな目で私を見ている島田くんの前で足を止め、声をかけた。



「おはよう。この前はコーヒー牛乳に勝手に触ってごめんなさい。

飲まずに捨てることになっちゃったから、代金は弁償するね」



島田くんは、焦った顔をしていた。


捨てた場面をまさか私に見られているとは思わなかったのか、それともみんなの注目の中でその話題を出されたことがマズイと思ったのか。


島田くんの気持ちはわからないけど、彼はやけに慌てている。


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