明日はきっと晴れるから



春町くんたちに手を振って別れ、お弁当を持って廊下に出た。


今日はまだ結城くんに会っていない。


『私はもう大丈夫。
お昼休みまで、ひとりで頑張れるから』


そう言った言葉を信じて、結城くんは図書準備室で私を待ってくれているはず。



結城くんにいい報告ができそうで、図書室へと廊下を歩きながら心が弾んだ。



うちのクラスは、いいクラス。

自分の考え方ひとつで、こんなにも上手くいくものとは思わなかった。


そういう前向きな考え方ができるようになったのは、自分を取り戻せたからで、

それは、結城くんが支えてくれるおかげなんだよね……。



図書室前に着いた。

ドキドキと胸を高鳴らせてドアを開けた。


貸し出しカウンターの中にいる司書先生と目が合うと、「来てるわよ」と、準備室のドアを指差して笑ってくれた。



図書準備室のドアを開けて中に入ると……。

笑顔の私を見て、結城くんも控えめな彼なりの笑顔で迎えてくれた。


壁にくっつけてある長机に向かい、結城くんの隣のパイプ椅子に座る。



「どうだった?」

と聞いてくれたので、張り切って午前中の出来事を話した。



「下を向かずに前を見て頑張ったよ。
そうしたら、クラスのみんなが……」



結城くんは頷きながら、嬉しそうに私の話を聞いてくれた。


今日は朝から雨。

夢中で話す私の背景音は、サアサアと外を濡らす雨の音。


その音が話している途中から小さくなっていき、やがて聞こえなくなる。


図書準備室の小窓から、明るい日の光が差し込んできて、雲の切れ間に青空が覗いていた。


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