明日はきっと晴れるから
中学時代の知り合いもいない。
中学は3つ隣の遠い街だったから。
楽しそうな笑声に包まれる教室で、私だけぽつんと一人ぼっち。
寂しいしみんなを羨ましいと思うけど、辛くはない。
こういう状況には慣れっこだから。
私のお父さんは警察官。
県内の警察署を数年で移動して回るため、お母さんと私も引っ越しを繰り返してきた。
小学校では3回転校し、中学は1回転校した。
転校を繰り返す子供のタイプは、2つに分かれると思う。
ひとつは、誰とでもすぐに仲良くなって友達を作ることが上手なタイプ。
もうひとつは、逆に友達が上手く作れずに一人ぼっちに慣れてしまうタイプ。
私は後者。
寂しいと思いながらもそれほど苦痛には思わずにひとりで静かに過ごし、誰かが「仲間に入りなよ」と言ってくれるのを、ひたすら待っていたーー。