明日はきっと晴れるから
教室に入るとドア付近で立ち話をしている女の子ふたりが、何気なく私を見てから、驚いて二度見した。
「えっ、宗多さん⁉︎」
自分の髪に触れながら、「お、おはよう……」と赤い顔で挨拶した。
美緒ちゃんと由希奈ちゃん以外の女子とは、まだあまり話したことがない。
挨拶程度の関係のふたりが、私に色々と話しかけてきた。
「びっくりしたー! 思い切ったねー」
「すっかりオシャレ系になって……。
へぇ、宗多さんて、そういう素質があったんだ〜」
私の後から登校してきた別の女子ひとりも、私の髪に驚いてから会話に加わった。
「誰かと思ったら、宗多さんなの⁉︎
その髪、どうしたの?」
「え、えーと……美緒ちゃん達に勧めてもらったんだけど……変かな?」
みんながあまりにも驚くので、恐る恐る聞いてみると、3人揃って変じゃないと言ってくれた。
「似合ってるよ。宗多さんと茶髪って結びつかなかったから、びっくりしちゃっただけ」
「やっぱり明るい髪色の方がオシャレ度高いよね。いいな〜。
でも私はできないや。親がうるさいし。
宗多さんの親って、理解あるタイプなんだね」
うちの両親には理解してもらえなかった。
左の頬の痛みは、まだ引いていない。
でも叩かれるほどに怒られたとは言えず、曖昧に笑ってやり過ごした。