明日はきっと晴れるから



女子3人に囲まれてドア付近で話していると、そこに春町くんと美緒ちゃんが登校してきた。


私を見るなり春町くんは、パッと目を輝かせる。

明るい茶色の私の髪に手を伸ばし、ワシャワシャと撫でて褒めてくれた。



「超可愛い! 俺、この髪色好きだなー」



隣で美緒ちゃんが、「でしょ?」と得意げに答えていた。


私は……胸がドキドキと高鳴り始める。


春町くんに可愛いって言ってもらえた。

この色、好きだって……。



嬉しくてドキドキが加速していく。

左頬の痛みも、忘れてしまうほどに嬉しい。



きっと猪熊先生にも怒られるだろうけど、大丈夫。


大人達がわかってくれなくても、みんなが『いい』と言ってくれるから。


やっぱり髪を染めたことは間違いじゃないんだよ……きっと……。




放課後。

今日は人生で一番、話しかけられた日かもしれない。


クラスメイトの半分以上に「あ、その髪」って声をかけられ、他クラスの人まで私を見にやってきた。



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