明日はきっと晴れるから



注目されるのは苦手だけど、こういうのはちょっと嬉しい。

みんなが私に話しかけてくれるなんて、まるで人気者になった気分がする。


恥ずかしいけど嬉しいという初めての体験に、赤くなったりモジモジしたりして、今日は一日忙しかった。



帰り仕度をして、ひとりで玄関に向かって廊下を歩いていた。


春町くん達は別々に用事があるそうで、今日はみんなで集まって遊ばないみたい。


掃除中の教室で少し話してから、『また明日』と解散になった。



生徒玄関で上靴を脱いで靴箱にしまい、ローファーを取り出そうとしたら、指先にカサリと紙の感触がした。


何か入っている……。


それを取り出すと、無地のメモ用紙が四つ折りにされた物だった。


手の中で開いたら、整った綺麗な文字列が目に入る。



【宗多菜乃花さん、話しがあるので放課後に中庭まで来てください。

2ー特、 結城 真臣(ユウキ マサオミ) 】



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