明日はきっと晴れるから
そのメッセージに目をパチパチさせてから、首をゆっくり横に傾けた。
丁寧に読み仮名までふってくれている結城真臣くんという男子生徒を、私は知らなかった。
“2ー特” は2年の特進クラスのこと。
各学年、1〜7組までクラスがあるんだけど、1年時の成績で特別に優秀な生徒は2年生から一般クラスではなく、特進クラスに振り分けられる。
2ー特の結城くん……。
今までひっそりと学校生活を送っていた私は、他クラスの男子の顔と名前を覚えようと思ったことはなく、彼が誰なのかさっぱりわからない。
特進クラスの教室は校舎の離れた所にあるから、より一層わからない。
全く知らない男子生徒からの呼び出しに、困惑した。
せめてどんな理由での呼び出しなのかを、書いてくれたらいいのに。
私、この人の機嫌を損なうような何かをやったのかな……。
心当たりはないけど、そんな風に不安になってしまう。
どうしよう……。
この紙に気付かなかったふりして、帰ってしまおうか?
でも……そんなの良くないよね。
気付かない内に何か迷惑をかけていたなら、きちんと謝って、もうやらないようにしないといけないし。
靴箱の前で1分ほど迷ってから、外靴に足を通した。
中庭に行ってみよう。
行かなかったら、気になって落ち着かないもの。