明日はきっと晴れるから
私の部屋の本棚にはビッシリと本が並んでいて、どの本も何度も読み返しているから、新品の時に比べると大分くたびれている。
驚いたことに、そんな本好きな私よりも、結城くんの方がたくさん本を読んでいるみたいだった。
私が今まで読んだ本のことを話すと、彼はそれらのほとんど全てを知っていた。
「あのシーンが一番びっくりして面白かった!」
私がそんな単純な感想しか言えないのに対し、結城くんは、
「一つ一つの謎が明らかにされる度に、鳥肌が立ったよ。
伏線が見事に繋がっていくストーリーの組み立て方も素晴らしかった」
そんな、大人みたいな意見を聞かせてくれた。
私が読んでいない本でお勧めの物もたくさん教えてくれて、結城くんとの会話はとても楽しかった。
不思議……。
初対面の男の子と、こんなに打ち解けて話せるなんて初めて……。
いつもの私なら恥ずかしさに口ごもってしまうのに、今はもっともっと話したくて仕方ない。
どうしてかな……。
話題が本についてだからかな……。