明日はきっと晴れるから



新しいクラスメイト達が出席番号の順に、趣味や部活動、将来の夢などを話している。


自分の番が近づくに連れ、ドキドキと心拍数が上昇し緊張も増していく。


私の前の席の女子が立ち上がり、明るくハッキリした声で話し始めた。



「霜野麻美です。1年7組でした。
女子バレー部でセッターをやっています。

英語が好きなので、将来は通訳とか翻訳家になりたいと思っています。

このクラスは1年の時に仲良くしてくれた子がたくさんいて良かった!

今まで話したことない人とも友達になりたいので、私に話しかけてくれると嬉しいです!」



霜野さんの自己紹介を、素晴らしいと思って聞いていた。


話かけてもらえるのが嬉しいと言うのは私も同じ気持ちだけど、彼女のようにそれを堂々と口にする勇気はない。


霜野さんて、すごいね……。

私もこんな風に言えたら、世界がもっと明るく見えるのかなぁ……。


憧れに似た気持ちで霜野さんを見ながら、間近に迫る自分の番に「どうしよう、どうしよう」と、心の中が慌てていた。


「みんな、仲良くしてね!」


霜野さんが自己紹介を終えると、パチパチと拍手が鳴り響く。


彼女が座り、代わりに私が立ち上がった。



「そ、宗多菜乃花です。え、えっと…… 1年3組でした。私は、あの……」



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