明日はきっと晴れるから



小花柄のお弁当箱をそっと開けると、今日のメインのおかずはハンバーグだった。


他には玉子焼きとウィンナー、ブロッコリーとミニトマトが入っている。


ハンバーグは冷凍食品ではなく手作りで、お母さんはきっと早起きして作ってくれたんだろう。



お母さんの愛情のこもったお弁当を前にして、胸がズキズキと痛み出す。


茶髪にしてから、お父さんとは話ができなくなってしまった。


まだ怒っているのがお父さんの表情から伝わってくるから、私は逃げるように自分の部屋に入ってしまう。


そんな私を見てお母さんは、とても悲しそうな顔をする。


両親に対して悪いことしている気持ちがするけれど、髪を黒く染め直すことはできなくて……。

どうしたらいいんだろう……私……。



私が座る席の隣の机で、美緒ちゃんがコンビニのお握りを二つ出し、カフェラテのプラスチック容器にストローを刺していた。


由希奈ちゃんは椅子だけ寄せて、美緒ちゃんと向かい合って購買のチョコレートパンを食べている。


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