明日はきっと晴れるから



クラスメイトの関心は、私から春町楽人くんに移っていた。



「楽人、カッケー!
さすが、女子に優しいチャラ男だな」


「楽人ってさ、女なら誰でもいいわけ?
ストライクゾーン広すぎじゃね?」



そんな男子達のからかいの言葉に、春町くんは笑って答える。



「俺のストライクゾーン? そんなに広くないよ。
10歳から30歳までの、世界中の女子だけだよ」


「広っ! ワールドサイズかよ!」



ギャハハと笑いが起きる。

声の小さな私を笑った時の、何十倍も大きな笑いが。


「はいはい、君達、そこまでにしないと先生怒るぞ。

宗多の次、高橋、自己紹介してくれな」



猪熊先生が騒ぎを静めてくれて、その後、自己紹介は問題なく続けられた。


連絡事項を聞いてメモをして、各種お知らせのプリントの束をもらい、2年生初日のスケジュールは終了した。



猪熊先生が「また明日」と言って教室を出でいくと、再び教室内は賑やかになる。





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