明日はきっと晴れるから



「帰りどっか寄ってこ?」

「マックにする? ミスド?」


女子数人が楽しそうに相談していた。



「あー、走んのかったりー。サボりてー」

「バーカ。先輩にどやされんぞ」


サッカー部の男子ふたりが、スポーツバックを担いで教室を出ようとしていた。



私は部活に入っていないので、いつも真っすぐ家に帰る。


紺色の学生鞄に手帳とプリントをしまうと、静かに席を立ち、ドアに向かった。


すると背後で「菜乃花ちゃーん!」と、誰かが私を呼び止めた。


振り返ると窓際の机の上に春町くんが腰かけて、私にヒラヒラと片手を振っている。


春町くんの隣には、彼より少し濃いめの茶髪の紺野くんという男子が立っていて、スマホをいじっていた。


その他に、女子がふたり。

小村さんは窓辺に背を持たれて立っていて、佐々川さんは春町くんが腰かけている机の椅子に座っている。


ふたりともメイクをしていて、目元がすごくパッチリしている。

アクセサリーも色々と付けているし、春町くんと同じ、見た目が派手な人達だ。


< 9 / 257 >

この作品をシェア

pagetop