明日はきっと晴れるから
6月も最後の週に入っていた。
期末テストまであと9日と迫っている。
『そろそろテスト勉強しないとね。
新しい本はテスト後に貸してあげるから』
結城くんにそう言われたのが、3日前のことだった。
本がなければ、結城くんに会いに行く理由がなかった。
モヤモヤした気持ちを早く解消したいのに、忘れてしまった私たちの過去を早く知りたいのに、昨日今日と顔も見ていない……。
放課後、帰り支度をして立ち上がると、春町くんがニコニコしながら私の席にやってきた。
「暑いから、何か冷たいもの食って帰ろー。
美緒はかき氷がいいって言ってて、由希奈はパフェがいいって。
菜乃花ちゃんはどっちがいい?
多数決で行き先決めるよ」
「え、あ、私は……」
期末テストがもうすぐだから、放課後遊びに行くのはどうかと思う。
それに……最近は春町くんたちと遊びに行くことに、最初の頃とは違った戸惑いを感じている。
私、このままでいいのかなって思って……。
前に中庭で結城くんに言われた『宗多さんらしくない』という言葉を、しょっちゅう思い出している。
私を仲間にしてくれた友達に合わせることと、自分らしさを貫くこと。
どうやったら両立できるのかな……。
無理なのかな……。
どうしたらいいのか、わからないよ……。