番のエージェント
「二人とも、泳がないんですか?」

一頻り美しい海を満喫してきたナターシャが、タオルを頭に被せて髪の毛を拭きながら戻ってくる。

「俺達は海水浴に来たんじゃないんでね」

頬に掌の跡をつけてカッコつける霸龍闘。

「バカンスなのは分かりますけど…あまり遠くに行かないようにお願いします…」

リィもナターシャに釘を刺すように言う。

「えー、そんなの勿体無いですよ。寒いロシアではこんな経験できませんよ?折角南の楽園に来たのに」

そう言って嬉しそうにリィの手を取るナターシャ。

「ほら、リィさんもビーチの方行きましょうよ。リィさんくらい美人なら、視線釘付けですよ?」

「い、いえ…私は…」

議員の娘の誘いをあまり無碍にはできず、しかし遊んでいる場合ではなく。

困ったように霸龍闘を見て、助けを求めるリィ。

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