番のエージェント
モスクワ環状道路。

黒塗りの高級車の周辺を、数台の車が固めながら走行している。

議員の乗る車を護衛するKGB第9局の車。

その中の一台に、霸龍闘とリィも乗っていた。

「退屈だな…さっさと送り届けて飯にしたいな…」

「……」

「今日の昼飯何にする?リィ。シャシリク(肉の串焼き。カフカースや中央アジアの諸民族の伝統料理)って食った事ある?今日はそれにする?それとシャルロートカ(ロシア風シャルロット)ってお菓子美味いぜ?一緒に食いに行こうよ」

「…霸龍闘」

リィが少し強い眼差しで霸龍闘を睨んだ。

「任務中」

リィの言葉に同意したように、同乗したKGB第9局の局員も視線を向ける。

「へいへい…リィはお堅いなぁ…」

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