番のエージェント
そんな事を言っていたのに。

「!!!!」

環状道路の前方に二台のハマー(SUV。スポーツ用多目的車)が急停止して道を塞いだ時、誰よりも早く反応したのは霸龍闘だった。

停車し切る前の車から転がるようにして降り、議員の乗る車の前に出る頃には。

「っ!」

既にマテバを抜いて構えていた。

そしてハマーのウィンドゥが開き、中から数人の男が銃口を向ける頃には。

「ぐあっ!」

357マグナム弾を発砲し、次々に『銃口のみ』に当てて射線を逸らす。

とはいえ、357マグナム弾の衝撃は強烈だ。

銃口に当てられただけで、男達の腕は痺れて、銃を取り落としてしまう。

KGB第9局の局員達が、モタモタと車を降りて、ようやく議員の車を取り囲むように構えた時には。

「駄目だ!逃げろ!逃げろ!」

テロリストと思われる連中の乗る二台のハマーは、現場を逃走しようとしていた。

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