番のエージェント
同時に霸龍闘の後ろに跨る柔らかな感触。

「リィ」

バイクのアクセルを全開にしつつ、霸龍闘は背後のリィを見た。

「アリスカ局長に叱られるんだから…」

「いい機会だから教えてやるよ、リィ」

霸龍闘はバイクのギアを一段上げる。

「俺、インフィニティ・セクターでの始末書トップなんだ」

「自慢にならない…」

そんなやり取りと共に、二人のエージェントを乗せたバイクはモスクワ環状道路を猛スピードで突っ切った!

渋滞中の車を縫うように走り抜け、時には後輪をドリフトさせながら白煙を上げ。

「そんなとこ止まってないでくれよ!赤キップ切るぞっ!」

停車していた軽トラの荷台に飛び乗り、更にそれを乗り越えて進む!

「霸龍闘…エージェントはお巡りさんじゃないの…キップは切れないの…」

「えっ、マジッ?」

後部シートのリィのツッコミに、目を丸くする霸龍闘。

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