あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
 架くんが力強い言葉が、私の涙腺を一気に崩壊させる。
 ブスじゃない……それをハッキリと私に言う男性は、架くんくらいのものだから。

「俺のほうこそ、もっと早くに助ければよかった。ごめん。万が一だけど、普通にデートを楽しんでるだけかもしれないし、様子見してた」

「デートって……」

「そしたらあとから現れた男に見覚えがあって、余計に出て行きづらくなった」

 たしかに、あの男性もホスト時代の架くんを知っているような口ぶりだった。
 昔の自分を知る人物と接触したくなくて、架くんは困惑したのかもしれない。

「もっと早く俺が出て行ってたら、葉月さんがあんなヤツらに罵られずに済んだのに」

「ううん、大丈夫」

「ほんとにごめん」

 私の言葉にかぶせるように架くんは切ない声を出し、私の腕を引いて体を丸ごと抱きしめてきた。

「男にナンパされても、もうついて行くなよ。心配しすぎて死にそうになる」

「はい……」

 ナンパではなく、キャッチセールスだっただけなのに。
 死にそうなんて大げさだ。

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