あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「イケメンなお前が悪い」

 なぜ俺だけこんな目に。
 大学で仲の良い友人の孝弘(たかひろ)に訴えれば、わけのわからない回答が返って来た。

「俺が悪いのか?!」

 女に勝手に近寄って来られ、その彼氏にこうして意味不明な因縁をつけられ……それでも俺が悪いのかよ。

 いくらなんでも理不尽すぎる。
 腑に落ちなくて孝弘の物言いに不貞腐れていると、慰めるようにポンポンと肩を叩かれた。

「架、お前が特定の彼女を作ればいいんだよ。いないから、女はみんな自分にもチャンスがあると思って近寄ってくるんだろ」

「うるさい。俺はフラれたばっかりなの。違う女をすぐに好きになれるかよ」

「あれはビックリだったな。架ならイケメンだから、どの女でも絶対落とせると思ってたわ。その子、彼氏いなかったんだろ? お前がフラれるなんて百年に一度の珍事だな」

 ニヤニヤとこちらをうかがう孝弘の視線から逃れるように、フンッと鼻を鳴らしてそっぽを向いた。人の不幸を面白がりやがって。

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