あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「それにしても架は大人しい女が好きなんだな」

「透明感のある子が好きなだけだ」

「なるほどね。そういう子のほうが男慣れしてないし、お前の毒牙にかかったら逆にイチコロのはずなのになぁ?」

 毒牙って……人を毒ヘビみたいに言わないでもらいたい。

 だけど俺自身、自分が女にモテている自覚は以前からあった。
 自分から好きだと告白したら、絶対に相手に受け入れてもらえると高をくくっていた。
 自慢じゃないが今まではそうだったし、今回だって自信満々だったのだ。

「で、何でフラれたんだっけ?」

 サクっと傷口に塩を塗る友人に、恨めしげな視線を送っておく。

「他に好きな男がいるんだって」

「あぁ、そうだった。架が他の男に負けるとは」

「『私、幼なじみのことが昔も今も好きなの』ってハッキリ言われた」

 彼女の心の中にすでに違う男が()みついていたのだから、初めから勝ち目はなかったのだ。

「お前の知ってる男?」

「いや、でも写真は見せられた」

 普通、見せるか? 
 好きだと告白した男に対して、その好意は受け入れられないと断りつつ、自分の好きな男の写真を見せつけるって。……こちらが頼んでもいないのに、だ。

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