あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「とりあえず、その肝だめしイベントだけど……葉月が実際に参加して、どんなものか体験してきて?」

 私が他社のイベントに参加だなんて、社長がまたとんでもない無茶振りをしてきた。
 仕事の一環だと言われれば仕方ないのだけれど。

「わ、私が実際に……行くんですか?」

「そう! ほら、潜入捜査的な?」

 目を丸くしながら社長に視線を向けると、彼女は至極楽しそうな顔をしていた。
 ……潜入捜査、って。なにか刑事ドラマにでも影響されたのだろうか。

「それは危険だろ。葉月さんはかわいいから絶対男が寄ってくるって」

 架くんが社長にそう提案した。私にお世辞を言ったところでなにも得などないのに、本当によくわからない人だ。
 だけど私の潜入捜査を止めてくれるのならばありがたい。

「別にいいじゃないの。葉月に良縁が見つかるなら」

「ダメ。潜入捜査にならない!」

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