あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「浮気者だよ、架くんは。どうして私にキスなんてしたのよ!!」

 複雑にうごめく感情に押しつぶされまいとしてか、あっという間に言葉と共に瞳から涙が零れた。
 なぜ私にキスなんてしてくるの。軽い気持ちでする行為ではないでしょう。

「どうしてって……」

「架くんは社長の恋人でしょ? それなのに私にも思わせぶりな態度を取って、二股とかひどいよ!」

「は? いや、ちょっと待って!!」

 ボロボロと感情的に涙を流す私を見て焦ったのか、架くんは困惑を隠しきれない顔で私を凝視した。

「誰と誰が恋人同士だって?」

「架くんと……社長」

「そんなことあるわけないだろ」

 もの凄く驚いた顔をしながら、架くんが全否定をしてかぶりを振った。

 理由はふたりに年の差があるからだろうか。
 とはいえ、十六歳差とは思えないくらい、私には普通にカップルに見える。

「だって凪子さんは、俺の実の叔母だよ?」

「えぇ?!!」

 私は今日一番の大声を出し、心の底から驚いてしまった。そのあとは目が点で、完全に放心状態だ。

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