あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました

「俺の母親の、年の離れた妹」

「血が……繋がってるの？」

「もちろん。だから付き合うとかありえないって。……なんでそんな誤解が生まれるかな」

　だって、ずっと仲良さそうにしていたもの。でもそれは叔母と甥だったからだ。
　ふたりが好き同士だというのは、完全に私の勘違いだった。

「お、叔母さんって……そんなの聞いてなかった！」

「まぁね。俺も社長の甥だってみんなに言いたくなかったし。凪子さんも昔から“おばさん”って呼ばれたくないって頑(かたく)なだったから」

　たしかに社長なら、『絶対におばさんなんて呼んじゃダメよ！』と親戚の子どもに言いきかせそうだ。
　だけど衝撃のこの事実に、私の頭はまだなかなかついていかない。

「……で、誰が浮気者だって？」

　からかうように詰め寄られれば、ごめんなさい、と私は頭を下げるしかできない。

「いつから誤解してたわけ？」

「えっと……架くんが社長室で、本気で好きだとか、そういう話をしているのをたまたま聞いてから」

「え？！」

「てっきり社長に告白してると思って……」