あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
『好きだから相手に触れたい、そういうもんだと思うけど?』

 以前に架くんが口にした言葉を、このときふと思い出した。

 あの言葉は当たっている。

 相手が好きな人だから……触れたいと思うのだ。

「私……あなたが好きみたい」

 封印しなければいけなかったはずの架くんへの思い。
 それが自然と口からぽろりと零れた。

 右隣にいる架くんをチラリと盗み見ると、先ほどと同じくらい驚いた顔をしていた。

 私がフイッと視線を逸らしてうつむくのとほぼ同時に、彼の大きな手が私の頬を包み、噛み付くようにキスをされた。
 助手席に座っている私に架くんが覆いかぶさる。

「ごめん。……我慢がきかない」

 至近距離でつぶやいたあと、架くんは何度も角度を変えてキスの雨を降らせた。
 気持ちが抑えられないのだと、言葉ではなく態度で伝えられている気がした。

 苦しくて息があがったところで、唇がようやく開放される。

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