あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「葉月! ちょっとこっち来て~!」

 架くんの瞳に吸い込まれるのを阻止してくれたのは社長だった。隣の部屋から私を呼ぶ声が聞こえる。
 促されるままにその部屋の半開きになっていたドアを「失礼します」と言いながらそっと開けた。

 社長はクッションをお尻に据え、ラグの上に座っていた。私の姿を見つけると、満面の笑みで手招きをする。

「いいからちょっとこっちに座って!」

 社長は自分の隣にもクッションを置き、そこへ座れとばかりにポンポンと叩く。
 彼女の前には低い簡易テーブルがあって、その上にはいろいろなものが置かれていた。
 いったいどうしたというのだろう。

「これね、私が若い頃から使ってるものなの」

 社長が見せてきたのは、オシャレな形のジュエリーボックスだった。
 中には指輪やネックレスやピアスなどが煌びやかに鎮座している。
 
 やはり社長はセンスがいい。どれも上品で、社長が身につけたら似合うものばかりだ。

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