あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「葉月、気に入ったものがあったら、持って帰っていいわよ?」

「えぇ?!」

 前から思っていたけれど、社長はいつも唐突に驚く発言をする。

「もらえるわけないじゃないですか!」

「そう言うと思った」

 私の反応が予想どおりだったのか、社長は艶っぽくうふふと笑った。

 彼女が身につけているものだ。高級ジュエリーに決まっている。
 それを私が理由なくいただくなんて出来るわけがない。

「こういうものに全く興味ないの?」

「そうでもないですけど……」

 私も一応は女だ。綺麗なものに、少しくらいの興味ならある。
 だけど、ずっと自分には無縁だと思っていたのだ。

「最近、葉月は綺麗になったもんね」

「え?!」

「やっぱり彼氏ができると変わるよね」

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