素顔で最高の恋をしよう
 箱に入っていた指輪はひとつではなくて、女性用の小さいサイズの隣に、ひとまわり大きな男性用サイズの指輪が並んでいた。

 デザインは対になるように少し変えられていたけれど、どちらも木の葉のモチーフだ。
 しかもそのデザインが綺麗だし、架くんとお揃いで身に着けられるのがうれしい。

 ……なにより、架くんのその愛情に感動した。

「初めてのプレゼントがペアとか……引いた?」

 不安の色を乗せながら、架くんが笑みを作って私に尋ねる。
 引くとか、そんなわけないのに。私は笑顔でぶんぶんと首を横に振る。

 架くんはホッとしたような表情に変わり、私にシルバーリングを嵌める。
 彼も同じように薬指に嵌め、私の手と自分の手を横に並べて、今度は自然に満面の笑みを浮かべた。

「気に入った?」

「うん!! 架くん、ありがとう!」

 気がついたら私は自分から架くんの首に腕をまわして、大胆に抱きついていた。
 架くんもゆっくりと私の背に手を添えて、やさしく抱きしめる。

「葉月……大好きだよ」

「私も。大好き」

「たぶん俺のほうがその何倍も愛してるけど」

 クスリとひとつ笑って、架くんが私の唇をすかさず奪った。

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