あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「なぁ、葉月はよかった?」

 腕枕で私を抱きしめながら、架くんが恥ずかしい質問を投げかける。
 行為の感想なんて求めないでほしい。

「……聞かないで」

「体の相性も大事だろ。それに、想像してたよりエッチが下手! とか思われてたらショックだ」

 私は全然経験豊富ではないから、上手とか下手とか、そんなのわからない。

 ただ、言えることはひとつだけ……

「幸せだったよ?」

「……え?」

「架くんとひとつになったとき、すごく愛を感じて、幸せすぎて泣きそうだった」

 我慢がきかない、などと言っていたわりには、架くんはやさしく慈しむように抱いてくれた。
 壊れ物を扱うように、ひとつひとつのキスにたっぷりと愛が含まれていた。


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