あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「シャワー浴びたい」

 架くんのほうに体の向きを変えて訴えた。
 本当は行為の前に浴びたかったのだけど……

「うん。じゃあ、一緒に浴びよ」

「それは無理! 恥ずかしい」

「え……今さら?」

 今だって裸同士でくっついているのに? と、架くんの表情から暗にそんな言葉が伝わってくる。

 だけどそれとこれとは別だ。
 一緒にシャワーを浴びるのは、今より何倍も恥ずかしい。

「まぁいっか。そんな葉月もかわいい」

 至近距離で微笑む架くんの顔は、未だに妖艶だ。

 それを目にしているだけでとろけてしまいそうになる。


 この幸せが永遠にいつまでも続きますように ―――


 架くんと視線を交わしながら、私は心の中でそっと神様に祈った。




―――― fin ――――

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