あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました

　女の子ならそういうご飯は喜びそうだが、地味な私はオシャレなカフェでパンケーキは似合わない気がする。

　その思考自体が思い込みで、かわいげがないのかもしれない。
　日本には地味な子がパンケーキを食べてはいけない法律などないのだし、せっかく誘ってもらったのだから素直について行くべきだけれど、今日に限ってタイミングが悪い。

「すみません、剛田さん。今日は朝にサンドイッチ買ってきちゃってるんですよ」

　申し訳なさそうにペコリと頭を下げれば、剛田さんがうなずきながら苦笑いの笑みを浮かべた。

「じゃあ、また今度誘うよ」

「はい」

　パンケーキではなく普通の定食屋さんでもいいのですが、と口にしそうになったけれど、寸でのところでその言葉を飲み込んだ。さすがに笑われそうだから。