あなたの狂おしいほどの深い愛情で、もう一度恋ができました
「だって葉月さん、いきなり変な男にロックオンされてたから、俺が助けなきゃと思って……体当たり?」

 もっと他に助け方があっただろうに。
 でも、とりあえずあの男からは逃れることができたから、あれが作戦だったなら成功だ。

「アイツがずっとつきまとってきたら、こっちの仕事の邪魔になるし」

「……そうだけど」

「肩、痛かったらあとで服脱いで見せて?」

 ムスッとしながら「お断りします!!」と答えれば、架くんはクスクスと肩を揺らして笑った。
 私をからかって面白いのだろうか。

 偉そうにするつもりはないけれど、私は架くんより一つ年上なのだ。
 敬えとまでは言わないが、会社の先輩であり年上でもある私に普段からタメ口だしこういう態度で、礼儀がなってない。

 よく考えたら社長に対しても“凪子さん”と呼んでいるしタメ口だ。
 なのに、私に対して敬語を使うはずがないか。

< 63 / 273 >

この作品をシェア

pagetop